米川流域治水対策協議会

  • 令和6年度 米川流域の治水対策の取り組み

    開催日時: 令和6年12月20日 19:00 ~ 20:30
    開催場所: 長浜市役所多目的ルーム1,2

    1. 令和2年3月30日に三菱ケミカル株式会社滋賀事業所と長浜市と滋賀県で三菱ケミカル所有の多目的グラウンドを遊水地として利用するための協定を締結した
    2. 協定締結後、現場測量、地質調査、地下水位調査を実施し、詳細設計を進めてきました
    3. 遊水地は三菱ケミカルのグラウンドを現状から90cm程度掘り下げ、米川の水位が上昇したときに、上流からの流水を一時的に流入させて、下流への流量を低減させることを目的としています
    4. 令和6年度には下記の調査、協議を実施しました
      • 埋蔵文化財試掘調査
        特段の文化財は埋蔵されておらず、計画通り遊水地として掘り下げる
      • 水質汚濁防止法等にかかる手続き
        三菱ケミカル滋賀事業所はグラウンドも含めて工場排水規制対象となっており、グラウンドを工場排水対象から外し、遊水地として管理する手続きなど進めてきた
      • 補償調査(用地・工作物)
        令和6年度中に用地補償額や工作物の提示を行い、三菱ケミカルと合意できるよう手続きする

    米川沿川自治会などからの意見

    1. 完成目標時期が明言されない状況であり、地元住民から問い合わせ対応ができない
      現時点での目標年度を教えてほしい → 今後も審査事項や手続き、三菱ケミカルとの調整確認が必要であり、完成目標が伝えられる状況ではないが、令和7年度には三菱ケミカルとの合意を経て、令和8年度に遊水地完成を目標にすすめる
    2. 遊水地計画はできるだけ早い完成に向け進めていただきたいが、溢水する場所での浚渫を検討してほしい → 現地調査が不十分であり、県事務所にて確認する
    3. バーブ工を滋賀県立大学が実施しようとしたが、滋賀県の許可が得られず断念された
      土木事務所がとらえているバーブ工は本格的に川の流れを制御することにより豪雨時の対応など課題が多いと認識されているが、滋賀県立大学の提案は現状の米川にある石や土を利用する緩やかな制御を継続しようと提案されており、豪雨などでは製作したバーブ工は流されることを想定しており、再度作ればよいとの考えであるので、県と大学での情報交換で確認してほしい
    4. 稲荷神社の石垣対策は県が行うべきと考える → 米川沿川で県が対応した石垣事例があり、個別に判断となると河川管理との関わりで不公平となる
    5. 米川の監視カメラが国やZTVで設置されているが、地元住民に公開できないか(降雨時に米川に近づかず確認できる)

    大井川整備事業の影響について

    大井川は下流域の田んぼ取水など活用されるが、一部溢水問題があり、長浜新川への接続工事を進めている
    この関係で、米川始点との関わりが心配されるかもしれないが、流入することはないので安心していただきたい (長浜市河川砂防課)

  • 令和6年度 米川流域治水対策協議会 新役員について

    1. 協議会は米川沿川の特に関係する自治会及び関係団体等、滋賀県(長浜土木事務所、河川砂防課)、長浜市(都市建設部、道路河川課、防災危機管理局)で組織している
    2. 平成30年から令和5年度まで協議会会長としてご活躍いただいた西川英敏様が勇退され以下の役員で今後の協議会を推進することとした
    3. 令和6年度からの新会長が互選され、副会長や幹事長、副幹事長が承認された
    会長徳原 栄二
    副会長西川 丈雄
    幹事長堀井 康弘
    幹事長代行北川 仁

米川の溢水(いっすい)

長浜市の中心市街地を流れている一級河川米川は,長浜市川崎町を起点とし,長浜市の中心市街地を南西に向かって流れ,琵琶湖に流入している。
流域面積は約 1.5km² ,幹線流路延長は約 3.7km の一級河川である。
流域内は家屋が近接しており,黒壁スクエアをはじめとする観光施設やJR長浜駅,湖周道路といった交通拠点が位置している。

昨今の気候変動により、集中豪雨の激甚化、大規模水害の発生が懸念される中、平成20年7月18日午前7時から8時の1時間に県長浜雨量観測所(長浜土木事務所:当時「湖北地域振興局」長浜市平方町)において,84mmの雨量を観測した。
この豪雨により長浜市街では家屋や店舗など11戸が床上浸水、203戸が床下浸水する被害が発生した。
その後も平成22年9月22日に長浜雨量観測所29mm/h、累加雨量42mmを観測し、浸水被害は,神前町の米川米穀店前の米川が溢れ、床下浸水15 戸であった。
一時的な集中豪雨で市街地の米川の水位が急上昇し、川底が浅いことから「はん濫多発地区」となっている店舗の前で道路に河川水が溢れ出した。
さらに、平成26年8月15日県長浜雨量観測所では累加雨量51mmを観測した。浸水被害は、神前町,宮前町,大宮町,元浜町,高田町の5 町で床下浸水66 戸であった。
米川から溢れた雨水が側溝を逆流して、マンホールから噴き出す現象が、大手門通り商店街などで発生し、河川沿いの道路が一気に冠水した。 

米川流域治水対策協議会
米川流域治水対策協議会

2023年8月米川は局地的大雨で越水してしまった

2023年8月1日午後7時から午後8時にかけて長浜まちなか市街地に局地的大雨が降り、米川が神前町で越水。
長浜市防災危機管理局によると民家1軒に床下浸水の被害が確認された。

彦根地方気象台によると午後7時からの1時間の雨量は14ミリで「やや強い」程度だが、市街地では短時間に集中的に雨が降り、米川の水かさが一気に上昇した。

今後とも短時間の集中豪雨では越水してしまう

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「米川流域治水対策協議会」の発足

長浜地区地域づくり連合会では、長浜市や滋賀県に、行政からの積極的な情報提供や浸水対策の充実を求めつづけ、平成29年6月18日に滋賀県知事による現地視察が行われた。
その後、平成30年3月5日に米川沿川の特に関係する自治会及び関係団体等や河川管理者である滋賀県、長浜市で構成する「米川流域治水対策協議会」が発足し、第1回の協議会が開催された。
この協議会は、一級河川米川流域において、集中豪雨等により度重なる浸水被害が発生していることを踏まえ、関係機関が連携,協力して減災のための目標を共有し、ハード対策とソフト対策を一体的かつ計画的に推進することを目的としている。

三菱ケミカル株式会社グラウンドを遊水地として活用

米川の治水安全度向上のためには遊水地整備が有効な手法であり、遊水地整備においては三菱ケミカル株式会社グラウンドの効果が非常に大きいことから、三菱ケミカル株式会社と滋賀県、長浜市との間で、グラウンドを遊水地として活用するための協議を浸水被害の直後を受けて、平成20年度から滋賀県主導で進めてきた。
そのような中、「一級河川米川の治水事業に関する基本協定」を令和2年3月30日に三菱ケミカル株式会社と滋賀県、長浜市との間に締結するに至った。
この協定の中では、三菱ケミカル株式会社が自社のグラウンドを米川の治水事業のための遊水地とすることに同意し、今後は三者が連携・協力して遊水地整備を進めていくこととしている。
これまでの三者協議の中で、当該グラウンドの所有権は三菱ケミカル株式会社が有し続け、かつ遊水地整備後もグラウンドとして利活用ができる機能を確保することとしている。
こういった民間企業と連携した治水対策は、滋賀県では初めての事例となる。

滋賀県に要望書を提出しました

2023年8月1日に発生した米川の越水は、最近の気象変化に伴い30分程度のスポット豪雨により、緊急対応をとる時間的な猶予もなく越水し、特定地域の床下浸水などの被害が出たことは、地域住民にとっては「雨が降るたびに心配しなければならない」状況となり、早急に対策をお願いする必要を自治会から要望されました。

日時: 2023年10月16日(月曜) 13:30~
場所: 滋賀県庁

米川の治水対策の推進をお願いしてきました

米川は1級河川で滋賀県の管理管轄となる。さらに、遊水地の契約を済ませ、設計段階となっているところですが、「米川治水対策連絡協議会」が組織されており、滋賀県・長浜市・地元自治会の情報共有を高め、地域の安心をより確実なものにするため、早急な対応を滋賀県のご担当部門長に要望書を通じてお願いしました。

米川を活用して地域活性につなげる政策検討をお願いしてきました

長浜市では「湖の辺のまち長浜未来ビジョン」においてパブリックスペースなどの地域資源を最大限活用した街づくりを推進するため、アクションプランにおいて水辺リノベーションとして、米川の活用促進を掲げられています。
管理管轄する滋賀県には、バーブ工による河川再生や歴史的文化的な河川景観の保全対策の推進をお願いしました。